・嘘と真実と(現代ファンタジー・完結)
自らが平々凡々な存在であることを自らで分かっている。
平均的な人生を送り、平均的な死を迎える。その間にあることが当人にとってどれだけのものであろうとも、他者から見れば平均的なものでしかないのだろうと思っていた。
静井鳴雪もそのことに疑問も不思議も無かった。
だからその日も当人にとっての一つのイベントを前にして、平均的に緊張をし、期待をしていた。
その直前に聞いてしまった一言。
「世界を救ってくれない?」
鳴雪の平均的な世界はただその一言で変貌する。
四月一日。誰もが嘘を許される日に、それは起きる。
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